2021-01-01から1年間の記事一覧

わたしのものになってきた うす暗くあたたかい巣 206

■目覚ましで起きられなかった だめな朝の コーヒーが今日の私を生かす 7時半に設定しているはずの目覚まし時計が、ついに消した記憶もないのに消えているという事態になってきた。そろそろ自分の怠惰を見直したいが、だめだ。あきらめながら、燦燦と日が差す…

最高気温10度に届かないとか 眠っていたら季節が変わった

◾️音楽が果てた静寂 夢のまにまに わたしのあとをそっとぬぐう 最近はプレイリストをループでかけることができるのであまり音楽が途絶えることってないけれど、レコードをかけるといずれ終わりが来る。沈黙を埋めなくちゃって、慌てて盤をひっくり返そうとし…

スナップ写真のようだな短歌ってなんちゃってだから怒られそうだな

あまりにもすてきな髪と肌をしている 黙っていてもおとぎ話 待ち合わせ3回延びて保留 好きじゃなかったら怒ってないよ 干支二周回遅れとか信じられん 長距離走なら泣いて済むのに ベッドのことを「おふとん」という君の育ちの柔らかさを思う お礼にと君がく…

死んだ犬の話

彼と会ったのは私がまだ世の中のことなんにもしらない子どもだったころ。 ハムスターの餌を買いに来たペットショップで、気づいたら、お父さんの手のひらに小さい犬が乗っていた。お母さんが、見たこともないくらい甘い笑顔で、「どうしよう」と言って、その…

星の王子さまとキツネの話

「下心があるのが恋、真心があるのが愛」 「恋は求めるもの、愛は捧げるもの」 そんなことをいちいち考えて人を愛したりなんかふつうしない。「恋に落ちた」と思ったら、世界中のどんな口説き文句も、ラブソングも白々しい。この気持ちは自分だけのもの。抱…

遠い夜に

とても遠い夜に来た。 月を追いかけて。あるいは野良猫がたくさんいる街を捜し歩いていて。 街の明かりが見えない場所を探して。先日降った雨の水たまりを探して。 とても遠い夜に来た。 あの日別れた人に、伝えていなかったことを思い出して。 電車に置き忘…

愛している、が、ちゃんと伝わっているかしら。  

愛している、が、ちゃんと伝わっているかしら。 「愛している」と誰かに言われると、犬がお手の芸をするみたいに「愛している」と答えてしまう。わたしはとても人を愛したがるから、これは本当に「愛している」なのかしらとときどき厳しく問いたださなきゃい…

犬の話

犬派か猫派か、という問いがよくある。 さして話したいこともないときに、こういう、どちらの方がいいかという話題に人は流れがちだ。ほかにも山派/海派かとか、きのこ派/たけのこ派かとか。大人になってからは日本酒の甘口/辛口かという話にもよくなるし…

夕暮れと春風と交差点

3月に入って日が長くなってきたことが、ここ最近で一番うれしい。 私は、午後の4時から5時にかけて日が暮れていく時間が好きだ。その時間帯をゆっくりと楽しむには、春と秋が最適だ。夏だとまだかまだかとじれったくなり、冬だと駆け足で通り過ぎていくそ…

探していた物語

小学校高学年から高校を卒業するまで、わたしは半分物語の中に浸りながら生きていた。今ではだいぶ現実が忙しくなり、物語を空想する機会が減ったけれど。 読み返してみると、自分が好きなものだけかき集めただけあって、どれも悪くない。ストーリーは陳腐な…

本の感想『革命前夜』

『革命前夜』須賀しのぶ著 舞台は東西分裂時代の東ドイツ。教科書のように正確なピアノの演奏を得意とする主人公マヤマシュウジがバッハの故郷へ留学し、そこで出会う音楽仲間との人間関係を描く青春小説です。 氷のように冷たい殻で心を閉ざしたオルガン奏…

諦めること

生きて踊ろう、僕らずっと独りだと諦め進もう 1人歌おう、悲しみの向こう 全ての歌で手を繋ごう 生きて抱き合おう、いつかそれぞれの愛を重ねられるように 紅白歌合戦で星野源が披露したパフォーマンス「うちで踊ろう(大晦日)フルバージョン」は、すっかり…

2020-2021

この記事は、2020年を振り返り、2021年ってこんな感じかな?と空想する、自分のための書置きだ。 ...... 2020年はまるでタイムマシンの中にいたみたいに、今までの自分の日常とつながりがない年だった。 自分が納得しているかいないかに関わらず、外出を自粛…